あらすじ
J大学山岳部OBの浅井と石倉は、尾張山3200メートル地点で遭難をした。
事故によって死を覚悟した石倉は、自分が過去に犯した“殺人”を告白してしまう。
しかし、その時、眼前に山小屋が出現し、二人は一命を取り留めるが……。
尾張の冬山を舞台にした緊張と恐怖の密室サスペンス。名匠の華麗な共演が生み出した最高のスリルと興奮!
(まんが王国より引用)
極限の緊張感と恐怖の中で
過去の殺人を告白した岩倉、その告白を受けた浅井の両名は、一命を取り留めたお陰で逆に気まずい空気に包まれます。
浅井は告白を受けた事により、口止めとして岩倉に殺されるのではないか?という恐怖に包まれます。
次第に浅井は岩倉の一挙手一投足に目が離せず、また自分が相手ならどういう思考になり、どういう行動を起こすのかに想像を膨らませる事で、後手に回らないように警戒します。
基本的に本作は浅井の心理描写を行いながら、物語は進んでいきます。
しかし極寒の雪山の山小屋では、その集中力は長持ちするわけもなく…
勝手に殺人のカミングアウトされた事により、生まれてしまったこの緊張感…冥途の土産を無理やり押し付けられた感覚で、たまったもんじゃないですよね。
告白…の本当の意味は?
序盤に岩倉は足に傷を負い歩行が困難に、中盤に浅井は高山病にかかってしまいます。
しかし浅井は岩倉に高山病に掛かっている事を隠し、また常に命を狙われている恐怖により、十分な睡眠をとることが出来ません。
普通に考えたら、足が不自由な岩倉の方が不利なはずが、なぜか浅井の方が追い込まれていく物語の展開の仕方は素晴らしいです。
そして本作のタイトルの告白の本当の意味は…?
まとめ
以上、福本伸行さん、かわぐちかいじさんの漫画『告白~コンフェッション~』の感想、いかがでしたでしょうか。
命をかけた攻防戦であり、とてもスリンリングな作品です。
1巻で収まっているのが不思議な位に、濃縮されている作品です!